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言ノ葉スクラップ・ブッキング〜シーン&シチュ妄想してみた。〜

管理人が妄想したシーンやシチュエーションをショート・ストーリー(?)にしたもの。
ジャンルはファンタジー・恋愛などなど。

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画家の恋人
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JUGEMテーマ:恋愛小説

 

 『今回は惜しかったね。次はきっと賞、獲れるよ。がんばって』……なんて、気軽に言える雰囲気じゃないね。

 
あんたがどれだけ真剣にこの作品に取り組んで、この賞に賭けてきたか、ずっと見てきたから、私も悔しいよ。

 
芸術なんてものは、いつの時代も評価する人の感性次第で、私みたいな素人がどれだけあんたの作品をすごいと思っていても、選者の目には留まらなかったりする。

 
難しい芸術論なんて私にはサッパリだけど、あんたのこの絵が、大賞に選ばれたあの作品より劣っているなんて、私にはどうしても思えないんだ。

 
……たぶん、恋人の欲目なんて入ってないよ。

 
そもそも好きな絵のタッチも画題も、観る人それぞれ違うだろうに、優劣なんて存在するんだろうか。

 
もしそれがあるとしても、そんな優劣を自分の個人的な好みに左右されずに見極められる目を、あんたの作品を選ばなかったあの人たちは、ちゃんと持っていたんだろうか?

 
ゴッホみたいに生前はてんで評価されなかった人もいるし、江戸時代の浮世絵だって、芸術として認められたのは後世、海外に渡ってからだったよね。

同時代の人の“物を見る目”なんて、だいたい皆そんなもんだと私は思うんだよ。

 
作者の肩書だとか、お偉いさんのお墨付きだとか、どれだけ有名な賞を獲ったかだとかで評価や見る目をコロコロ変えて、自分の目で、自分の心でちゃんと作品と向き合ってる人なんて、きっとそんなに多くないような気がするんだ。

 
だけど、そんな周りに流されただけの、うわべだけの評価なんて、そのうちにだんだん剥がれ落ちて、忘れ去られて、結局最後は単純な個人個人の好き嫌いの感情が、作品を淘汰していく。

 
どんなにすごい賞を獲っても忘れられていく作品がある一方で、発表された当時は美術的評価なんてちっともされていなかったモノたちが、今なお愛され続けているように……。

本当に本当の名作ってやつは、一時の流行や画壇の評価なんかに左右されず、多くの名も無き人々に愛されて、百年後も、千年後も残り続ける――そんな作品だと、私は思うよ。

 
まぁそれだと結局、作者が生きてる間に真の評価を知ることはできないって、そういう結論になっちゃうわけだけど。

 
あんた、前に言ってたよね?
『“努力は必ず報われる”っていうのは間違いで、それは単に成功者が、報われるまで努力を止めなかったというだけの話だ』って。 

 
あんたは、まだ努力を止める気は無いんだろう?
私も、止めて欲しくはないよ。

あんたは、こんな時点(ところ)で終わるべき人じゃない。
あんたのその努力と執念は、いつか報われて花開くべきだ。

 
他の誰が認めなくても、私だけはそう信じてるよ。

 
無理に背中を押す気は無いけど、放っておいたって、あんたはまた立ち上がるだろう?

 
……そういう人だから、ずっとその背中を見ていたいって、思っちゃうんだよ。

 

いつ報われるかも分からない、茨の道とも荒野の道ともつかないこの道を、あんたはどこまで行くんだろうね?

 
私は、ドキュメンタリーとかによく出てくる、献身的に偉人を支えた良妻賢母みたいに、あんたを助けてあげられる自信は無いよ。

 
元々ズボラだし、家事も上手とは言えないし、あんたのために自分の人生を投げ捨てられるかって訊かれると『うう〜ん』って悩んじゃうと思うし。

 
だけどね、それでもあんたの一番の理解者で、一番のファンでありたいって気持ちは、ウソじゃない。
あんたの夢が叶う、そのことが、私の夢でもあるんだよ。

 
私は信じてるんだ。
いつかあんたの作品が評価されるようになって、個展とかも開かれるようになって、たくさんの人が、あんたの絵を観に押しかける――そこで私は言ってやるんだ。

 
『この人、今でこそこんなに評価されてますけど、昔はコンクールで落選続きだったんですよ。それが後にこんな風になるなんて……。過去に審査された方々には、この才能を見抜く目が無かったんですかね」って……。

 
いつか絶対そんな日が来るって、私は信じてるんだよ。
だから……いつか来る、その時まで、ちゃんとずっと、そばにいさせてよね。

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恋愛オムニバスSSシリーズ「まるで純度の高い恋の結晶のような…」の第7弾です。

 

・やや恋愛要素が薄め…ですかね?

 

・恋愛自体がどうこうというより、挫折して傷ついた恋人に対するエール、みたいな感じで書いています。

 

・某N〇Kの「日〇美術館」などを見ていると、後に有名画家になっても、若い頃には酷評されて…なんていうケースは割とよく見ます。

 しかも中には酷評された理由が人間関係だったり嫉妬だったりするケースも…。

 そういうのを見てると、夢を追うとか、コンクールとか、審査とかって、綺麗なだけのものじゃないんだな…とビミョウに鬱になりますね…。

 

・モネやスラーなども、当初はその新し過ぎる技法が理解されなかった、というのを、つい最近「探検バ〇モン」でやっていました。

 保守的な感覚の人間に新しい試みが理解されない、というのは、いつの時代も共通の問題なのかも知れませんね。

 

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