管理人が妄想したシーンやシチュエーションをショート・ストーリー(?)にしたもの。
ジャンルはファンタジー・恋愛などなど。
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JUGEMテーマ:オリジナルファンタジー
エディー
「……あれ?どこへ行ったんだ?シェヴィー……」
メアリ
「ああ!若様!どうか姫様をお探し下さい!最近お部屋を抜け出されてばかりで困っているんです」
この娘はメアリ。
後にシェヴィー付きのメイドとなる少女だ。当時はシェヴィーの遊び相手として城に上がっていた。
俺と同じくシェヴィーに振り回され苦労していたようだ。
エディー
「分かった!見つけて連れ戻すよ!」
エディー
(……どこを探そう)
→調理場を探す
→庭園を探す
→中庭を探す
→調理場を探す
エディー
「……いないなぁ」
→庭園を探す
エディー
「シェヴィーどこだ………。……あ、いた!」
シェヴィー
「あにーえ!見て見て、シェヴがつくったの!」
エディー
「……って!泥だらけじゃないか!」
シェヴィー
「えへへ〜。どろだんご」
エディー
「あぁああぁ〜…。ドレスが…っ。顔が…っ。手が……っ!」
俺は嫌がるシェヴィーを無理矢理引っ張って部屋に連れ戻した。
メアリ
「きゃあぁ!姫様っ!なんというお姿をっ!」
エディー
「すまないが、なんとか綺麗にしてやってくれないか?」
メアリ
「もちろんです!さ、姫様。お風呂に参りましょう」
シェヴィー
「あにーえもいっしょにはいる?」
エディー
「ええぇえぇッ!?あ、いや、俺はっ……」
メアリ
「いけませんッ!!」
その時のメアリのあまりに必死の形相に、俺はたじろいだものだった。
……今になって思い返せば彼女の必死さも理解できる。
何しろ俺はあの時まだ知らなかったのだから……。
シェヴィーが俺の“妹”なんかではないことを…………。
→中庭を探す
エディー
「シェヴィー!どこだ――!?」
シェヴィー
「あにーえ?」
その声は俺の頭上から聞こえてきた。
あわてて顔を上げるとそこには…………
シェヴィー
「きゃふふふふっ。すごいでしょ!?」
エディー
「うわあぁああぁッ!危ないッ!なんて所に登ってるんだ!!」
シェヴィー
「あにーえはいつも登ってるのに」
エディー
「おんなのこは木登りなんてしなくていいんだ!早く降りて来なさい!!」
シェヴィー
「はぁい!じゃ、行っきますよぉ〜!」
言うなり、シェヴィーは木の枝から勢い良く飛び降りてきた……!!
エディー
「えっ!?うわあぁああぁああぁああぁッ!!!」
どさっ どすん
俺はとっさにシェヴィーを受け止めたものの、見事に尻餅をつき、かなり痛い思いをした。
エディー
「こらッ!!なんてことをするんだ!危ないじゃないか!!」
俺は本気で怒鳴った。
なんとか受け止められたから良かったものの、失敗していたらシェヴィーは大怪我をしていたところだ。
その場面を思い描いたら、本気で血の気が引いた。
シェヴィー
「ふぇっ!?あ……あにーえ…っ。ごめんなさいっ……」
それまでシェヴィーを怒鳴りつけるなんてしたことのない俺だ。
シェヴィーはびっくりして大きな目に涙をにじませた。
エディー
「え!?ああぁああぁっ!シェ、シェヴィーっ!な、泣かないでっ!」
シェヴィー
「あにーえ!あにーえっ!ごめんなさい!ごめんなさいっ!シェヴ、いい子になるから、だから、シェヴをきらいにならないでっ!」
シェヴィーは泣きながら俺に抱きついてきた。
俺は……怒りも忘れてシェヴィーの身体をぎゅっと抱き締めて、その頭を優しく撫でてやった。
エディー
「嫌いになんか、なるわけないだろ?シェヴィーが嫌いだから叱ったわけじゃないよ。シェヴィーが自分で自分を危険な目にあわせたから怒ったんだ。……もう決してこんな危ないことはするんじゃないぞ。シェヴィーが大怪我したり……死んじゃったりしたら、兄上は泣くからな」
シェヴィー
「うん!もう、もうしないよ!だから、泣いちゃダメ!あにーえ!」
エディー
「よしよし。シェヴィーはいい子だ。……じゃあ、部屋に戻ろうな」
・以前UPした「義理の妹は亡国の王女(プロローグ)(幼少期・兄妹のふれあい編)(幼少期・ライバル妨害編)」
の続きで、幼少期の兄妹ふれあいパートその2のシナリオです。
・当初はノベルゲームを想定して書いていましのたで、選択肢による展開の分岐があります。
(ノベルゲームのシナリオとして書いているので、いわゆる地の文が少なく、状況説明が擬音のみで終わっている部分もあります。)
・MAPの中から行き先を選んで、義妹を探すイベントのイメージです。
・庭園に行っても中庭に行ってもどちらでも義妹に会える(同じ人間が同時に2ヶ所に存在する)ナゾに突っ込んではいけません。
・中庭の木登りシェヴィー→飛び降りて受け止めるのシーンは、ラクガキ・ブログの方に色鉛筆画を載せています。
・ちなみに幼少期パートが終わると、エディーは王都に騎士修行に出ることになり、しばらくシェヴィーとは手紙のやりとりだけになります。
・この騎士修行時代に最大のライバルである「王子」が登場し、何かとシェヴィーに興味を持ってくるので、上手く興味を逸らす選択肢を取っていかないと、後々厄介なことになる…という設定でした。